核家族化が進んでいる現代において、年々増えているのが火葬だけを行う
「直葬」と呼ばれる葬儀の方法です。
一般的には通夜を行い翌日に葬儀・告別式・出棺の流れになりますが、
直葬は火葬場にて行うものになります。そもそも直葬とはどんなものなのか、
また直葬を行うメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
直葬とは
直葬は通夜や告別式などを一切行わない葬儀の方法です。
病院もしくは自宅から直接火葬場に運び最後のお別れをするだけの簡素的なものです。
遺体は火葬当日までは火葬場の霊安室にて預かってもらうか、
ご自宅で安置する流れになります。直葬は、シンプルなお葬式であることから
「密葬」と呼ばれることもありますし「火葬式」と言われることもあります。
直葬の具体的な流れについてですが、直葬では、家族や親族だけが集まり
出棺時や火葬炉の前で読経を行います。
読経を行わない直葬のケースもあります。
火葬が始まると完了までに1時間ほどの時間がかかります、
参列者はその間控室で待機し、最後に遺骨を骨壷に収めるための
「骨上げ」を行い終わるとてもシンプルな流れになります。
直葬を行うメリットは
まずは直葬を行ううえでどんなメリットがあるのか説明します。
費用を抑えて葬儀ができる
葬儀の値段は決して安いものではありません。
一般葬儀の場合、100万円程度の費用がかかり規模の大きなものだと
200万円ほどの予算が必要になります。
通夜・告別式などを行わないので大幅な費用の削減になります。
例えば葬儀を行いたいけど金銭的に厳しいケースや、
故人の葬儀に参列するのが家族だけのケース、故人も金銭的に余裕がないケースなどは、
直葬を希望する方も増えています。
また核家族化で身寄りがないケースも直葬を行うことがあります。
生活保護を受けている人が公費で葬儀を行うときも直葬です。
時間的な負担が少ない
喪主のなかには仕事が忙しくなかなか時間がとれないなんてケースもあります。
葬儀以外にもやらなくてはいけないことがたくさんありますし、
時間的な負担も大きくなってしまいます。
また喪主が高齢で葬儀を進行するのが難しいケースでも、直葬を希望する場合もあります。
葬儀は事前の準備も多いので、時間的な負担を軽減できるのは直葬ならではの
メリットともいえますね。
また香典自体を受け取ることがないので、お礼や挨拶なども不要です。
故人との密な時間が過ごせる
亡くなった知らせを受けたあと、葬儀の準備に追われてしまい故人との
時間が十分にとれないケースもあります。
そもそも気持ちの整理もついていないときから葬儀のことを考え、
打ち合わせや金銭的なこと、参列者のことなどやらなくてはいけないことも多く時間に追われてしまいます。
故人との大切な最後の時間だからこそ、より濃密に過ごしたいと考える遺族の方もいます。
自宅に安置し、最後の一時までそばにいたいと考える気持ちも考慮する必要があります。
葬儀は規模が大きくなればなるほど、その前後でやらなくてはいけないことも多く、
遺族にとっても心身ともに大きな負担になります。
お墓が決まっていないときの選択肢が増える
直葬のなかには、決まったお墓がなくどこに入れるか迷っている人もいると思います。
読経を済ませたり、お寺で葬儀をあげると宗派の関係もあり
お墓の選択肢が少なくなってしまうこともあります。
急なことで何も決まっていないとき、直葬を選択しておきあとから検討する方法も考えられます。
まとめ
直葬(火葬式)だからといって故人を思う気持ちが変わるわけではありません。
急なことで金銭的な問題もあり、できるだけ簡素なお葬式を希望する方も増えています。
大切なのは故人との限られた時間をどう過ごすのかです。
ただし、直葬についてよく思わない人もいるので、事前に相談しておくことも必要です。